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【4つの手順】n8nとMCPの連携方法|何が実現できるかも解説

n8nとMCPの連携方法

業務効率化やAI活用の現場では、複数サービスを統合して扱える仕組みが強く求められています。今注目されているのが、ワークフロー自動化ツールのn8nと、AIと外部サービスを標準化して接続するMCPです。

n8nは、直感的なGUIでノーコード自動化を実現し、700以上の外部サービスと連携可能です。一方MCPは、「AIのUSB-C」と例えられる共通規格として機能し、複雑なAPI連携を一括で扱える点が特徴といえるでしょう。

本記事では両者の特徴を解説したうえで、具体的な連携ステップをわかりやすく整理していきます。

n8n・MCPとは

n8n MCP

業務効率化やAI連携の分野では、複数のサービスをまとめて扱える仕組みが必要です。n8nはアプリケーションの自動連携を実現し、MCPはAIと外部データを統一的に結び付けるための標準を提供します。

両者は役割が異なりつつも、共通して「接続を容易にする」存在として注目を集めており、2つの特徴を以下で詳しく確認しましょう。

n8nの基本情報

n8nは、業務自動化の自由度を大幅に高めるオープンソース基盤です。直感的に扱えるノーコード設計に加え、独自環境でのセルフホストも可能なため、柔軟な導入が実現します。

たとえば、外部サービスとの連携数は700以上あり、複雑な分岐処理にも対応します。結果として、企業は自社ニーズに沿った柔軟な自動化の設計が可能です。

<n8nの主要な特徴>

特徴内容
オープンソースソースを自由に取得・改変でき、独自の最適化が可能
ノーコード対応プログラミング不要でGUIベースの操作ができる
自ホスト可能セキュリティ要件を満たす環境構築が容易
多数のノード対応Slack・Google Sheets・OpenAIなど700以上と連携
条件分岐やループ処理If文やWhile文をGUIで再現できる

MCPの基本情報

MCPは、AIの世界に共通規格を提供する仕組みです。根拠としてAnthropicが「AIのUSB-C」と表現している点が挙げられます。

従来は複数サービスと連携する際、APIごとに個別実装が必要でした。MCPを導入すれば一度クライアントを組み込むだけで、MCP対応サービスすべてと統合できます

結果として、開発者は効率的にAIアシスタントを強化できるのです。

<MCPの主要なポイント>

項目内容
標準化の役割各種サービスを統一的にAIへ接続可能
比喩的説明「AIのUSB-C」と表現されるシンプルさ
実装負荷の軽減APIごとの個別連携作業を不要にする
拡張性一度の導入で複数ツールと柔軟に接続
開発効率コード量削減により工数を大幅に縮小

n8nとMCPの連携で実現できること

n8n MCP 連携

n8nとMCPを組み合わせることで、ルールベースの安定した自動化とAIによる柔軟な判断を同時に活用できます。n8nが確実なワークフロー実行を担い、MCP対応クライアントが解析や学習を行うため、効率と精度の両方を高められます。

企業や研究機関の具体的な利用シーンを整理すると、以下のような取り組みが可能です。

<ユースケース別:連携で実現できること>

シーン実現内容
eコマースのサポート対応・意図と感情を解析
・一般的な問題を自動解決
・複雑案件を優先し適切なチームへ振り分け
・顧客対話の蓄積を基に応答を改善
大学・研究機関の論文処理・多数のジャーナルから重要発見を抽出
・トピックや重要度で分類
・研究者間のコラボレーションを特定
・関係者別にカスタマイズされた要約を生成

AIが分析を担い、n8nが実行を保証する仕組みによって、現場での作業がスムーズになり、継続的な改善が可能になります。

【4ステップ】n8nとMCPを連携する手順

n8n MCP 連携手順

n8nとMCPを組み合わせることで、自動化と外部連携が可能になります。効率的に稼働させるためには、段階的な設定が必要です。導入から動作確認までを順序立てて行えば、安定した連携が実現します。

以下の4つの流れに沿って作業を進めてください。

  1. n8nをインストールしてブラウザで起動
  2. MCPサーバーをセットアップして動作確認
  3. トリガーノードを追加して設定
  4. cURLで通信テストし、ワークフロー実行を確認

1.n8nをインストールする

まず、n8nをシステムに導入する必要があります。自動化を実行するための土台が整っていなければ、MCPとの連携も始まりません。

導入には2種類の方法があり、npmを利用する方法と、Dockerを利用する方法が用意されています。npmの場合は、コマンドを入力して直接インストールし、Dockerの場合はコンテナを起動して実行します。

いずれの方法でも稼働後はブラウザからアクセスでき、新規ワークフローの作成が可能です。

方法手順例アクセス確認
npmnpm install n8n -gn8n startコマンド実行後に正常起動するか
Dockerdocker run -it –rm –name n8n -p 5678:5678 n8nio/n8nコンテナ稼働後にアクセス可能か

2.MCPサーバーを設定する

n8nと連携させるには、MCPサーバーを準備する必要があります。ワークフローの呼び出し先が存在しなければ、処理が成立しないためです。

利用できるサーバーは、GitHubリポジトリで確認でき、基本的な実装を選択して導入する形が一般的です。インストール先はローカル環境かクラウドインスタンスのどちらでも構いません。

設定の流れは大きく分けて以下のとおりです。

作業内容実行例
リポジトリを取得git clone <リポジトリURL>
依存関係をインストールnpm install
サーバーを起動npm start
エンドポイントを確認http://localhost:port/mcp にアクセス

起動後、エンドポイントにアクセスして応答が確認できればサーバーが正常に稼働しています。

3.サーバートリガーノードを設定する

n8nで外部サーバーとやり取りするためには、MCPサーバートリガーノードの設定が欠かせません。ノードを追加して初めて、MCPからのリクエストを受け取れる仕組みが整います。

設定の進め方は以下の通りです。

<設定手順>

  1. n8nを起動して新規ワークフローを作成する
  2. ノードパネルから「MCPサーバートリガー」を検索し追加する
  3. URLパスや認証方式を入力する
  4. トリガーをHTTPリクエストノードなどに接続し、保存後に有効化する

<主要な設定項目>

項目内容補足
MCP URLパス/mcp/abc123 など一意のパスを自動生成必要に応じてカスタマイズ可能
認証「なし」またはAPIキーなどを設定本番環境では認証利用が推奨
接続先HTTPリクエストノードなど実行ノードワークフローの動作を定義

設定を保存して有効化すると、http://localhost:5678/mcp/abc123 のようなエンドポイントが公開されます。以降は外部のMCPクライアントからリクエストを受け取り、ワークフローが稼働します。

4.設定をテストする

連携設定が完了したら、通信が正しく行われているかを検証しましょう。MCP URLに対してリクエストを送信し、ワークフローが動くかどうかを確認します。

確認作業は、cURLなどのツールを利用するのが一般的です。

<テスト手順>

  1. ターミナルを開く
  2. cURLコマンドを入力して送信する
  3. 応答を確認して処理が開始されるかをチェックする

<コマンド例>

curl -X POST http://localhost:5678/mcp/abc123 -d ‘{“tool”: “example”}’

リクエスト送信後にワークフローが起動すれば、n8nとMCPサーバーが問題なく連携している証拠になります。応答が得られない場合は、URLやノード設定を見直すことで不具合の解消が可能です。

まとめ

n8nとMCPを連携させることで、ルールベースの安定した処理とAIによる柔軟な判断を同時に活用できます。n8nがワークフロー実行の土台を担い、MCPが外部クライアントとの橋渡しを行うことで、効率と精度を両立できる点が最大の魅力です。

導入手順は、n8nのインストールから始まり、MCPサーバーのセットアップ、トリガーノードの構成、そしてテストによる動作確認の4ステップで完了します。業務や研究に取り入れれば、定型作業の削減と継続的な改善が実現できるでしょう。